死生観を養うと人生が180度変わる。『死生観を持つ』とは、自らの死に方を定めるということである。
私の死生観は、『死ぬ時は死ぬ』というシンプルなものだ。いたってシンプルだが、この覚悟を持っているか否かで生き方、困難の乗り越え方に雲泥の差が生じる。
人間の最も美しく尊い生き方は『自らの命よりも大切なもののために生きる』ことだと私は考える。昔の武士は自分の命よりも名誉を重んじ、名誉のためなら命を捧げた。現代においては、親が我が子のために身を粉にして働くことや、いじめられている友達を救うために、自らを危険に晒して助けるなどが具体的な生き方だ。
命は『命よりも大切なもの』の次に大切なものだ。そのため、命の終わり方、すなわち『死』について明確な考えを持っていれば、人生上のあらゆる困難は『死』よりも程度の低いものであるから、さほど苦しむことなく乗り越える基盤が出来上がる。この上ない強さを手に入れることができるのだ。仮に人生上で命よりも大切なもののために死ななければならなかったら、死ねば良いだけだ。
死生観を養うには、文学で美しい死に方をした人間の死に方を体感し、歴史的書物(古典や哲学書)で理論的に言語化して理解するという方法が良いと思う。
『死ぬ時は死ぬ』と本気で思っていれば、いかなる困難に遭遇しても『死んだら仕方ない』と潔い諦めをつけることができ、無駄な不安や恐怖に苛まれることもないため、結果として最も強い生き方ができるのである。
あなたも死生観を獲得して強く生きよう。